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先日モスクワで行われたG20での声明では、日本に対する円安誘導に関する批判を免れることができた。これにより円高是正の足かせとないうる懸念を一つ回避できたことになり、もう一段の円安を試すことになるだろう。 

ところで、その前に根本的な事を見直したい。
安倍政権が目指すインフレ・円安って本当にいいことだろうか?

デフレの象徴だった吉野家の牛丼が500円に値上がりし、ユニクロのTシャツが1000円になり、ガソリン代がリッター200円まで急騰して、ルイビトンのバッグが軒並み20万円以上に値上がりする。

これ自体がハッピーなわけがない。

つまり、まず景気が回復して賃金が上昇し、それに伴って物価があがるべきなのだ。先に物価が先行して上がったところで、ただ生活が苦しくなるだけだ。このままインフレが先行して続くなら、そのインパクトは消費税増税のどころの比じゃなくなる。

もちろん、安倍政権がその事を知らないわけではない。経済団体に賃金アップを要請しているのが、その証拠だ。それらがすべてうまくいけばもちろんいいことだ。しかし、賃金上昇率が物価上昇率を上回り、かつ賃金上昇率を上回る企業業績の改善を達成するのは容易な事ではない。

また、インフレはちょうどいいところに留めておけるというのは、思い上がった妄想でしかないと思う。そんなに簡単にインフレをキープできるんだったら世界の歴史でハイパーインフレなんか起こるわけがない。

 インフレ・円安はそれ自体が無条件でいいことではなく、それが心地くなるには、非常に困難の伴う条件を満たされなければならない。しかし、多くのひとがその事に気づいてないのではないだろうか。ちかい将来に「デフレ・円高のほうがましだった・・」とならなければいいが。