カテゴリ: お金のこと

14日の債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の取引が成立しなかった。1日を通して取引が成立しなかったのは、2000年12月26日以来約13年ぶりだという。日銀が買いまくっているからマーケット機能が失われているのだろう。市場参加者の心境としては、高すぎて買えない、かといって売りたくない、という感じなんだと思う。JGBを売り崩そうとすると日銀が買いに来る。日銀は基本的にお金を刷ることができるので、敵に回したくない相手だ。

でも、このままうまくいくのだろうか。ゆるやかなインフレをつくりながら、長期金利は低く抑えて実質金利をマイナスのままに推移させる。このまま株価も賃金もあがれば、アベノミクスの思惑通りだ。でも僕は懐疑的だ。マーケット機能を殺したした結果、日本国債というあんなに巨大なアセットがまったく動かなくなった。とても悪い兆候だと思う。河野龍太郎氏も以前から指摘している。
 拡張的な財政・金融政策によって名目成長率を嵩上げする一方、長期金利が低位で安定している間は、株や不動産などリスク資産の価格上昇が続く。リスク資産の価格上昇に惹きつけられ、ミニ投資ブームが始まる可能性もある。それが永久に続くのなら問題はないが、いずれ調整過程が訪れる。
長期金利上昇の引き金となるのは、やはりインフレ率の上昇だろう。たとえば、1%程度の均衡実質金利を前提に、2%のインフレ率やリスクプレミアムが織り込まれると、長期金利は3%台まで上昇しても不思議ではない。

 いずれ、信じられないような事態に直面するかもしれない。止まらない円安・インフレ・長期金利の上昇。あれだけ否定されていたデフレ円高がいずれなつかしくなるのかもしれない。
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ビットコインの運営会社「マウントゴックス社」が2月28日に破綻しました。同社のレートで114億円、世界のほかの会社のレートで480億円もの富が消えてしまったそうです。同社の説明によるとハッカーの攻撃によるものだそうです。投資家(ギャンブラー?愛好家?)は、それはもう激オコです。損すると誰だって怒りますし、怒りをぶつける対象は、いつだって口当たりのいいもの(不正とかなんとか)です。だって、損したからという理由で怒っていると見られるのは、あんまりおもしろくないですからね。

それに対する世論の反応は様々です。その中でも、こんなふうに思っている人はわりと多いと思います。「ビットコイン?ああ、インターネット上の仮想通貨のあれね。あんな実体のないもので儲けようとするから、そうなるのよ。はっきり言って自業自得だね。」そういう類の話って、損してない人からみれば、どうでもいい事だし、口では言いにくいけど、他人が損することって正直言って面白いんですよね。
世の中はとても厳しいものです。

でもビットコインを、実体のないものだから消えたって不思議じゃない、って考えいる人がいるとしたらそれは間違ってますね。だって、そうだとしたら、お金はどうですか?こんな紙切れやら、預金通帳の数字に実体なんてあるわけがありません。実体のないという意味では、ビットコインも他の通貨も同じです。そういう意味では”ポイント”だって全く同じだし、消えてなくなる確率は程度の違いであって質の違いではありません。

通貨の発行体は中央銀行、ポイントの発行体は民間企業、金(ゴールド)の発行体は自然発掘、ビットコインの発行体はアルゴリズム、って感じでしょうか。そのうち、実体のあるものは金(ゴールド)だけですね。通貨の発行体である中央銀行は広い意味での政府組織なので、通貨を扱う銀行やら取引所やらは政府の規制をうけます。行政による監査がはいって、管理がずさんなことがわかったら、処分をうけます。なので、わりとシステムや管理体制はちゃんとしているのかもしれません。もちろん、それはそれで完璧ではなく、こんなことだって起こりうるわけです。

ようするに、こういう事がおきるというのは程度の差に過ぎないんです。
ビットコインの取引所が破綻するのは、銀行や証券会社やら取引所が破綻することはありうること同じことです。政府の規制がないから、取引所がずさんな管理をしやすくなる確率が高くなってしまうだけのことです。ビットコインが価値があるのは、それがほかの通貨なり実体のモノと交換できるとその他大勢が信じているということであって、そういう意味ではほかの通貨と全く変わりはないんです。交換できなくなるかも、って大勢の人に疑われてると、その価値がなくなってしまうという意味でも同じですよね。
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「お客様は神様です。」とは三波春夫の言葉だそうだ。

日本人のほとんどはこの言葉を知っているし、お客さんに丁寧に接する文化は、僕たちが誇れるものの一つなのかもしれない。とくに海外から帰ってくるとそれを強く感じる。日本の接客はやっぱすばらしいし、安心できる。

そこで僕はいいたい。

だからって客が調子に乗んなよ、と。

自分が神様かなんかと勘違いすんじゃねーと。


たまに飲食店とかで、店員を奴隷かなんかだと勘違いしている人がいる。いろいろクレームをつけてみては、やれ客を何だと思っているとか、やれ企業努力が足りないとかなんとか。でもさあ、だったらいかなきゃいいじゃん。本当にみんながひどいと思ってその店に行かなければ、どうせつぶれるんだからそれでいいじゃん。

もし、その店が存続するんだったら、それは価値のある店なんだと思う。理由はわからない。接客がわるいけど、安くておいしい店なのかもしれないし。まずくて接客もわるいんだけど、まちで唯一のレストランだからなのかもしれない。

お店は何もお客さん全員のためにあるわけじゃない。顧客満足は手段であって、最終目的ではない。サービスレベルあげるにはお金がかかる。ものを買ったり、残業したり、さらなる人員を増やしたり。そのせいで業績がわるくなって赤字になったら店は存続できなくなるかもしれないのだ。

お客さんは神様なんかじゃない。僕らは対等だ!店員は家来でもなければ奴隷でもない。

その店が本当にいやだったら、いかなければいいだけ。店は顧客満足を高めることが利益につながるときにのみサービスレベルを上げるものだと思うべきだ。 
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わりと深刻な事件が起きました。横浜銀行とATMで取引した人の口座から預金が不正に盗まれました。これはとても重要な事件です。だって、あなたの預金かも知れないんですよ。あなたは全く悪くありません。パソコンにはウィルスソフトをいれてました、暗証番号はほぼほぼランダムの文字列です、ネットログインパスワードはむちゃくちゃ複雑でこまめに変えてました、って人もダメだったんです。なんせ、銀行のシステムを担当している人が不正をしてたわけですから。どうしようが防ぎようがありません。

これはカードが偽造されたというのと、口座から数千万円の預金が盗まれたという意味で、ビッグニュースになりました。でも、これはもっと大きな事を示唆しています。つまり、安全なんて所詮、確率の問題でしかないんだって事がはっきりしたわけですから。横浜銀行は超優良な地方銀行です。セキュリティーの意味では大手銀行と遜色ありません。でも、被害にあったのは、曾孫下請けシステム会社の社員が不正を行ったいたからなんです。状況なんてどこもかわりはないです。だって、どこ大手銀行も孫会社に普通に委託してますからね。たまたま、被害にあったのがあなただったのか、そうでなかったのかの違いに過ぎません。

ていうかそもそも僕らが勝手に信じている安全なんて、所詮運がいいか悪いかとか、あなたが騙されるに値するかどうかで決まったりします。ちょっと運が悪ければすぐに崩れるような類のとても脆い構造物ものなんです。話は変わりますが、個人情報も、人によっては簡単に取得できるんですよ。なぜかというと、世の中には情報を売る人というのがほぼ確実に存在するからです。

一般的にいうと、公務員とか、大手企業に勤めている人は、モラルがあるように思えてしまいます。大手銀行に預けていれば不正に引き出されたりして情報が盗まれたりはすることはまずないだろうとタカをくくってしまいます。でもですね、あんだけ人がいるんですよ、で、システムさわっていれば、外部の人かものすごく関わってきます。そしたら、もう、不正があるかどうかなんて確率の問題ですよ。人は都合が悪くなったら普通に悪いことをします。そういうもんなんです。

怖いかもしれませんが、普通の探偵だったら、あなたの名前と住所がわかれば、預金額なんて簡単に分かってしまいます。それは、 銀行にいる悪い人が情報を売っちゃうからです。あなたの情報も含めてです。それは悪いことですが、仕方のないことです。だって何万人もの人をあつめてきて、全員が完璧に善人なんてことありますか?ないんですよ。人は自分がピンチになったりしたら、不正を犯します。それを完全に防ぐ手段なんてこの世に存在しません。

 結局のところ、横浜銀行の事件はタマタマだったってことなんです。自分とは無関係の何かとおもったら、いつか致命的な大怪我をするかもしれません。完全に安全なところなんてない、ということを理解しがら、自分のことの大抵は自分で守って行く。結局のところ残された選択しというのはそれくらいしかないのかもりれません。 
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さすが、広瀬隆雄氏。昨年言っていたことがマジできちゃいました。

2014年のどこかで、新興国株式のドカ下げが来る……それが僕のいまの相場観です。

そして、その解説もまた目からウロコです。

アルゼンチンは、あくまでも「炭鉱のカナリヤ」であり、最近、グローバル・キャピタル・マーケッツという炭鉱に有毒なガスが充満しはじめ、その関係でイチコロに逝ってしまった、哀れな犠牲者に過ぎないのです。

実はこの暗い穴蔵の中には、巨象(Elephant in the room)が居るのです。その巨象とは、中国のシャドー・バンキングです。

この巨象が、臭いオナラをしたので、回りのみんなが、酸欠状態になっているわけです。

今回のアルゼンチンの危機が、香港上海銀行の出している中国製造業購買担当者指数(速報値)の悪化をきっかけとして起きたことは、だから偶然ではないのです。原因と結果の因果関係を、取り違えないように。

僕は個人投資家として色んなソースから情報を取得しながらトレードしていますが、マーケットハックはもっとも重要なソースの一つです。個人投資家の中には日経新聞だけ読んでれば十分と思っている人がいますが、それは甘いですね。確かに何かが起きた時の事後的な解説とか、救済策の概要とかの説明は役に立つかもしれませんけど、売り買いに直接役立つ情報しては全く不十分だと思います。

初心者の中には今回のドカ下げで思いっきり損している人がたくさんいると思います。今までちゃんと勝ってきたのに今回がたまたま運が悪くてやられた、と思っているとダメですよ。これがあなたの実力です。初心者の人は大抵そういう負け方をします。緩やかな円安株高でちょこちょこ稼ぎながら、何かのきっかけでドカっと損する。みんなそうなんです。そして、勝っているときは実力で、負けたときは運が悪いと言い出すんです。

一番気を付けないといけないのは、こういう相場で何もかも失うことです。なまじ勝っている人ほどこの罠に落ちやすいです。過信なんでしょうね。短期間で何回もナンピンを重ねて、結局行き着くとこまで行ってしまい、はい終わり。全財産を失うだけならいいですけど、借金まで背負ったら最悪です。まず、冷静になりましょう。儲けそこねるかもしれませんが、一旦全てのポジションを閉じるというのも手かもしれません。

結局、値動きがどうなるかなんて神様じゃなきゃわかりません。とにかく色んな情報を見ながら、冷静に判断しましょう。自分の冷静な頭で判断で行うことが重要です。もし、わからないと思ったら損切りするのが無難です。無駄にギャンブルして人生を掛けてはいけません。

(免責: この記事は投資その他の行動を勧誘するものではありませんし、情報提供を目的としたものでもありません。したがって、この記事を参考にした結果損失が発生したとしても、当方ではいかなる責任も負いかねます。)
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