エントリーシートを書き終わった後も、僕は何度も何度も時間をかけて見直した。ここに書いてある自己アピールと志望動機をみられたら、僕はたぶん、孫の代まで笑われるだろう。だが提出までに時間をかけてはいけないと思ったので、ボタンを押す直前に最後の見直しをしてから、エントリーシートを提出した。提出した後にはどこか不思議と清々しい気持ちになった。僕は、ついにラブレターを出してしまったんだ。もう後戻りはできない。

WebのSPI試験のお知らせがメールできたとき、想定通りだったにも関わらず、少しテンションがあがった。やはり自分の希望するところからなんらかの連絡があるとそれだけで嬉しいのだ。でも、僕は迷っていたことがあった。SPIは自分でちゃんと受けるべきか、それともズルをして友達と一緒にやるべきか。みんなズルしてるからバレないとは思うものの、ズルをして不自然な得点になり落ちたら悔やまれる。僕はどうするべきなんだろう。

結局、僕はズルをしてSPI試験に挑んだ。自分ひとりでは絶対に成し遂げられない結果をだせたときは、なぜか自分でやったかのように胸を張ってしまった。こんなにすごい自分ならきっと返信をしてくれるはずだ。絶対に僕の事をきにいってくれるはずだ。根拠が薄弱なのにもかかわらず強気な気持ちになったのは、おそらく自信のなさの表れなんだと思う。あらかじめ通過率の情報を得れなかったので、僕は地獄の1週間を過ごさなければならなかった。

面接の日程メールが来た時の喜びはひとしおだった。エントリーシートを再び読み直し、面接で聞かれるであろうことを想像した。質問があるかきかれたときに何を聞くかも決めていた。その会社を訪問するのが楽しみだった。どんな人にあえるかを考えるとワクワクした。

初めてその会社の人もみると背筋が伸びた。ここの会社の内定をとり、今まさに活躍している人だ。もしかしたら、この人は僕の先輩になるかもしれない。そう思うと自分が何もかも見透かされているような錯覚にとらわれた。面接で気をつけるべきポイントは何度も確認した。声は大きく、自信を持って、謙虚さをわすれず、身振り手振りでしっかりアピール。

でも、できなかった。声は震えたし、手も震えた。こっちを見られると馬鹿にされているかのような錯覚をうけた。下を向いて歩く帰り道で、僕はとても惨めな気持ちになった。なぜなら、まだ可能性をすてきれていなかったからだ。2週間以内に連絡がくるかもしれない。僕は無理だと自分にいいきかせながらも、実は少しの可能性に猛烈に期待していた。

2週間を1日すぎても連絡がこなかった。情報によると、1週間以内に返事がなければもうダメらしい。もう認めざるを得ない。僕はダメだったのだ。あれだけ行きたいと思っていた会社に僕は行けなくなった。僕の夢は叶わなかったのだ。ほかの誰かが面接を通ったという連絡をきくと、おめでとうと笑顔で言ってみたが、とても嫌な気持ちになった。 人の幸せを妬むなんてしたくなかったが、妬む自分をどうすることもできない。

僕は総合的な人間性を否定された気分になった。僕はどこか別の会社に入ることができるのだろうか。まわりの人に比べて就職偏差値が低い会社にしか内定貰えなかったどうすればいいんだろう。僕は漠然とした不安をかかえながら、今日もエントリーシートを書きながら、面接の日程を埋めていくのだった。

って感じになるかもしれませんが、就活生の皆さんがんばってくださいね!