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相場の格言で、Sell in May「五月になったら売り逃げよう!」というのがある。実際の統計をとってみても、5月に買うと負ける確率が高いのだそうだ。ヘッジファンドの決算があり現金化の需要がたかくなるから、などの解釈はいろいろとあるが、多くの投資家が5月になると身構えるのは確かだろう。

いろんなところで、今回はSell in Mayは来ないのではないかという予想はあった。ロシアや中国や消費税増税など、それなりにリスクオフになるようなネタはたくさんあったが、結果的にはやはり来なかった。まあ、単なる確率の話なので、実際にこなかったこと自体にはさほど不思議って事でもないだろう。

そういう理由もあってか、6月の始めで東京の株式市場が盛り上がった。日経平均は300円以上も値を上げた。セルインメイが怖くて買い切れなかった人たちが買いだした、あるいはセルインメイを狙って売っている人たちがすっといなくなった、っていうのも原因のひとつだろう。

もしかすると5月のいったり来たりしてたところが、直近の底値になるのかもしれない。日経平均でいうと14,000では底値が硬かったことは確認できたし、REITはいちはやく上値を切り上げてきてる。ドル円も101円台前半が、いいところだったのかもしれない。

僕としては仕掛けきれなかったことを反省しているが、まだチャンスがあると思っている。 押し目がきたら、リスクをとりに行こうと思う。

※しつこいようですが、投資は自己責任でお願いします。このブログは投資の奨励や情報提供を目的としていません。この記事を参考にしたいかなる損失も当方では責任はうけかねるので、よろしくお願いします。 
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金属加工機械大手のアマダという会社が非常に興味深い発表をした。なんと、純利益の全てを株主還元するとのことで、半分を配当、半分を自社株買いに回すそうだ。このニュースをうけて、株価は一気に急騰した。

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通常、税金などを差し引いた最終利益である純利益は、一部で役員報酬を払い、一部で配当などで株主還元し、残りを内部留保にまわす。ほとんど会社は銀行などから融資をうけているので、わざわざ銀行から金利を払ってお金を借りるよりも、利益を内部留保して投資に回す(あるいは借金を返す)というのは合理的だ。

ただ、今回のアマダのように実質無借金の会社は別だ。企業が 投資もしないお金を必要以上に溜め込んでも仕方がない。したがって、このような無借金経営の会社は、株主から「おまえ溜め込んでも投資しないんだったら、株主還元しろよー」ってプレッシャーをうける。それをうけたアマダが、「うん、わかった。もう溜め込まないで全部還元するね」と答えたのだ。

とても興味深いので僕も投資しようと思って、この会社の事を調べてみた。

破綻リスクは問題なさそう。
株価が紙切れになるような破綻リスクはほとんどない。だって借金してないし、だいぶキャッシュリッチだからだ。PBRが0.89倍で1倍を割れているということは、資産を全部うっぱらって、会社を解散したら、株主は今よりも儲かるということになる。まあ、そこまでではないけど、キャッシュリッチだし、仮に赤字が何回か続いたとしても倒産するようなことはほとんどないだろう。

割安度はいまいち。
PERは20倍そこそこ。つまり株価に対する最終利益は5%くらい、ということだろう。うーん、これ自体にはあまり魅力はない。700円あたりだったら、15倍くらいなので悪くなかったが。。このままの調子でいけば、2.5%が配当にまわり、2.5%は自社株買いにまわされるのだろう。果たして、このまま利益をキープできるのだろうか。

利益継続性はちょっと疑問。
僕はこのニュースまでは、アマダという会社を知らなかったが、金属加工機械で首位級の会社らしい。バフェットじゃないけど、流行りにのった会社よりも、このように渋い会社の方が個人的に信頼がおける。そして、実際に増収増益を続けている。ここまでは、とてもいい。
ただし、気になることが3点。一つ目は直近の売上の伸びはM&Aによるものが大きく、今後もこのような急成長は望めないのではないかという懸念があること。二つ目は利益の大部分は為替差益で、今季のような円安が継続的に続くとは思えないこと。三つ目はやはり日本市場そのものに、個人的に期待できないことだ。詳しくはいずれ議論するけど、僕はアベノミクスに懐疑的なのだ。

飛びついて買わないだけで、決して売り奨励ということではない。
僕は、この金属加工機会マーケットについて全然わからないし、アマダの競争力についても、全くの無知だ。また、会社の雰囲気やトップのキャラクターについても全然わからない。会社の資料を見て、自分なりに、まあ、あわてて買うこともないかな、と判断したに過ぎない。もっと詳しく調べて買い!という判断をする人もいるだろうし、売り!という判断をする人もいるだろうが、まあまあ、それは自分で判断して欲しい。

※ 免責事項:この文章は、投資の奨励や情報の提供を目的としているわけではありません。投資は自己責任でお願いします。この文章を参考にすることによる損失について、著者並びにブログ関連会社は一切の責任を持ちかねます。
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さすが、広瀬隆雄氏。昨年言っていたことがマジできちゃいました。

2014年のどこかで、新興国株式のドカ下げが来る……それが僕のいまの相場観です。

そして、その解説もまた目からウロコです。

アルゼンチンは、あくまでも「炭鉱のカナリヤ」であり、最近、グローバル・キャピタル・マーケッツという炭鉱に有毒なガスが充満しはじめ、その関係でイチコロに逝ってしまった、哀れな犠牲者に過ぎないのです。

実はこの暗い穴蔵の中には、巨象(Elephant in the room)が居るのです。その巨象とは、中国のシャドー・バンキングです。

この巨象が、臭いオナラをしたので、回りのみんなが、酸欠状態になっているわけです。

今回のアルゼンチンの危機が、香港上海銀行の出している中国製造業購買担当者指数(速報値)の悪化をきっかけとして起きたことは、だから偶然ではないのです。原因と結果の因果関係を、取り違えないように。

僕は個人投資家として色んなソースから情報を取得しながらトレードしていますが、マーケットハックはもっとも重要なソースの一つです。個人投資家の中には日経新聞だけ読んでれば十分と思っている人がいますが、それは甘いですね。確かに何かが起きた時の事後的な解説とか、救済策の概要とかの説明は役に立つかもしれませんけど、売り買いに直接役立つ情報しては全く不十分だと思います。

初心者の中には今回のドカ下げで思いっきり損している人がたくさんいると思います。今までちゃんと勝ってきたのに今回がたまたま運が悪くてやられた、と思っているとダメですよ。これがあなたの実力です。初心者の人は大抵そういう負け方をします。緩やかな円安株高でちょこちょこ稼ぎながら、何かのきっかけでドカっと損する。みんなそうなんです。そして、勝っているときは実力で、負けたときは運が悪いと言い出すんです。

一番気を付けないといけないのは、こういう相場で何もかも失うことです。なまじ勝っている人ほどこの罠に落ちやすいです。過信なんでしょうね。短期間で何回もナンピンを重ねて、結局行き着くとこまで行ってしまい、はい終わり。全財産を失うだけならいいですけど、借金まで背負ったら最悪です。まず、冷静になりましょう。儲けそこねるかもしれませんが、一旦全てのポジションを閉じるというのも手かもしれません。

結局、値動きがどうなるかなんて神様じゃなきゃわかりません。とにかく色んな情報を見ながら、冷静に判断しましょう。自分の冷静な頭で判断で行うことが重要です。もし、わからないと思ったら損切りするのが無難です。無駄にギャンブルして人生を掛けてはいけません。

(免責: この記事は投資その他の行動を勧誘するものではありませんし、情報提供を目的としたものでもありません。したがって、この記事を参考にした結果損失が発生したとしても、当方ではいかなる責任も負いかねます。)
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どういうスタイルなのかにもよるが、基本的に投資には運の要素が強いと思う。ニュースで株価なり為替なりが大きく乱交下するのは、えてして自分が何かアクションを起こした直後だったりする。運良くいいところで買えたり売れたりすると、まわりの人に自分がいかにいいトレードをしたか自慢したくなるし、最悪のタイミングでアクションを起こしたりすると、後悔と自責となんともいえない残念な気分になってしまう。

覚えておかなくてはいけないのは、最高のタイミングで全財産使って買って、最高のタイミングで全てを売れるやつなんていないということだ。いかなる取引においても、こうしてれば良かったというトレードは存在する。買わなきゃよかった、もう少し待てば良かった、もっと金をつぎ込んどけばよかった、人の忠告を受け入れるんじゃなかった。投資にはいろんな種類の後悔がある。だから、ある種の後悔は必ずするものだと思っていたほうがいい

ただ、僕にはひとつだけ絶対に避けたいと思っている後悔がある。それは意図してないポジションを取ったことによる損失だ。トレーディングをしたことのある人ならわかると思うが、途中で自分の意図しないポジションを取らざるを得ない時がある。そんなときに自分の意図通りのポジションに戻すというのは意外に簡単な事ではない。これはこれでありなんじゃないかと自分に言い聞かせてしまうのだ。

そんな時僕は、逆のポジションだったらどうするかを自分に問うことにしている。たとえば、ある株を買ったとしよう。それが思った以上に上昇している。もう売り時だと思うけどなかなか決心できない。そんなときは、「もし自分がこの株を買っていなかったとすれば、今からこの株を買うだろうか」と自分に問うのだ。もし、買わないと思ったんだったら、その株は売りだ。 今の状況に惑わされず、自分の考えに忠実に動かなければならない。

自分の考えに従って売買した結果、損してしまう可能性だってもちろんある。でも、それはそれでいいのだ。さっきも言ったように、最高のタイミングで全財産使って買って、最高のタイミングで全てを売れるやつなんていない。避けるべきなのは、自分は正しくないと思っていることをついついやってしまって、その結果損をすることなのだ。なぜなら、その損は運の悪さによるものでなく、意思の弱さによるものだからだ。
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■12月の雇用統計はびっくりするほど悪かった!

金曜日にアメリカで雇用統計が発表されました。その数字がむっちゃ悪かったためにドルが一気にどーんと売られちゃいましたね。

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それまで104.80-105.10くらいの動きだったドル円が、雇用統計の数字が出るなりいきなり105.20を超えたり103円台に途中入したりして、結局104.00-104.20くらいのレンジにかわりました。雇用統計の数字がいかに市場にインパクトを与えているかよくわかります。

ちなみに原因はアメリカの寒波です。まあ、こんだけ寒ければ外出を控えるだろうし、設備投資しようって気にもなりませんよね。



■ 雇用統計で初心者がまず押さえておくべきこと

投資の初心者の方はまずいくつかのポイントを押させておきましょう。雇用統計はアメリカで発表される景況感を表すマクロ指標などで最も重要な数字だと思ってください。小売業でも建設業でもいいんですが、やっぱり忙しくなってくると、「やべー、仕事まわらねー」ってなりますよね。そしたら「よーし、んじゃ、新しく人を採用すっか。」(悟空風)ってなります。これは景気のいい証拠ですよね。さらにそれで実際に採用されれば、失業してた人が、「やったー、やっと職につけたぞ。これでまともな生活ができるぜ!」っていうふうになってますます景気は改善していくわけです。

では、いつだれがどんな事を発表するんでしょうか。アメリカでは労働省が毎月原則第一金曜日のNY時間8:30に雇用情勢を発表します。いろんな数字があるんですが、とりあえず初心者は非農業部門就業者数と失業率だけは抑えておいてください。これはニュースでかならず言及される数字です。それ以外にも重要なポイントがあるんですが、とりあえずこの二つは覚えておいてくださいね。

アメリカは労働人口が増加している国です。ですので雇用者数が0というのはプラマイゼロではなくマイナスです。どのくらい増えていないといけないかというと、ざっくり10万人と覚えてください。これより大きければ基本的に景気は改善傾向、わるければ景気は悪化方向です。でも、それをクリアーしていればおっけーっていう単純な話ではありません。

アメリカの金融機関やシンクタンクなどは毎月雇用統計を予測します。雇用に関する他の情報や聞き取り調査とかを合わせて、予想値を発表します。トレーダーは各社の発表する予想値を見ることができますので、それらの平均などからコンセンサスをうかがい知ることができます。このコンセンサスというのが重要です。というのは、景気がいい時にはいい数字がでるのは当たり前です。問題はどの程度いいのかです。今回は、雇用者数のコンセンサスが20万人くらいと思ってたら実際は7万人くらいだったんで、うっっひゃーー、ってなったんですね。

ちなみに日本では雇用関係の数字がマーケットにインパクトを与えることはあまりありません。日本は雇用が硬直的なので、あまり増えたり減ったりもしないし、だからといって景気が安定しているかとそうでもないんですよね。景気が悪かったら人は減らさずに給料を減らすというのが日本です。アメリカとは全然ちがいますね。あと、日本は有効求人倍率と失業率が重要な数字とされています。

■ 初心者のための雇用統計の準備

1. 毎月第一金曜日までに雇用統計についてのコンセンサスを調べておく
これは普通にググれば出てきますのでそれを参考にしましょう。プロのトレーダーでも雇用統計を自分で予測するのはほとんど無理です。予想している人がいるとしたら、誰かのレポートを読んでいるかコンセンサスを適当に調整して言っているだけだとと思ってほぼ間違いないと思います。ですので、初心者は発表されるレポートとかをまずは鵜呑みにするしか方法はありません。

2. 雇用統計がそれをどれくらい上回るか下回るのかをドキドキしながら見る
コンセンサスとほとんど変わらなければ、発表前と後でおおきく市場は動かないはずです。大きくよければ基本的には株高ドル高になるでしょうし、悪ければその逆です。年に何回かは今回のようなサプライズがおきます。1年で1回もサプライズがないのは、逆に珍しいというか、そんなことはほとんどないと思ったほうがいいです。

3. その結果をどの解釈すればいいかを後で調べる
たまに雇用統計の内容とマーケットの反応が乖離することがあります。コンセンサスなのに売られたり、弱かったのに買われたりすることもたびたびあります。これはなぜそうなったのかをいろんな解釈を振り返りましょう。雇用統計は重要な数字なので毎回かならず大きな記事になります。ロイターブルーンバーグはプロのトレーダーもチェックしてるので、これを見るのがいいかと思います。

4. このプロセスを継続する
このようなプロセスを毎回やることで信頼できるエコノミストが誰かとか、他の重要な数字が何なのか(たとえば労働参加率) とかがわかるようになります。毎回の雇用統計について誰かの言葉を借りながらでも、ある程度語ることができたとしたら、あなたはもう初心者ではありません。逆にいうとマーケットのプロのほとんどはその程度さえ達していないんです。実のところ。
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