自民党が貸金業法の緩和を検討しているそうです。あまり大々的には報道されてませんが、関係者には衝撃的なニュースでした。

その昔、金利の上限が定められた法律が二つありました。一つは利息制限法で15%。もう一つは出資法で29.2%。利息制限法より高い金利で出資法より低い金利の15%~29.2%をグレーゾーン金利とか言ってました。でも、実際の消費者金融は29.2%いっぱいいっぱいで貸してたりしたんですね。利息制限法には違反してますけど、出資法ではオッケーだよね、と。出資法違反には刑罰があるけど、利息制限法違反は最悪でも契約が無効になるだけだよね、と。

それで、お金を借りてた達が裁判おこしたんですね。いやー15%以上はやっぱダメでしょって。それ以上払った分は返してよ、と。でも、業界の人たちはあまり気にも止めてませんでした。はは。それは無理だよ。裁判官の人たちは頭がいいし、ちゃんと世の中のことわかってるから、アホな判決なんてだすわけないでしょ。利息制限法違反したら返還義務があるとかいう判決なんて出たら大騒ぎだよ、ホントの話。

裁判官は言いました。いや、ちゃんと耳を揃えて返してやんな。利息制限法違反の金利分ね。・・・は?貸金業者はパニくりました。そして、実際、大騒ぎがおきました。ありとあらゆる消費者金融はつぶれました。大手の武富士もです。返還請求をする弁護士は、その手数料で大儲けです。つり革広告にガンガン広告をうって、ガンガン返還請求をして、ガンガン手数料をもらいました。

消費者金融業界は激変して、いろんな会社が破綻したり、吸収合併されたりしました。それはそうです。過去に儲けた分返せ!っていろんな人から言われるわけですし、前みたいに高い金利でかせなくなったわけですから、儲けも少なくなってしまったからです。証券化された消費者金融のローン債権もたくさんあったんですが、貸倒やら返還請求やらでそれはそれはひどいことになりました。

人間、窮地におちいったらなにをしでかすかわかりません。詳しくはいずれ書きます。

そんなこんなで色んな人間を巻き込んだグレーゾーン金利ですが、だいぶ落ち着きをとりもどしてきました。そんなか、自民党は考え出したわけです。まー、優良企業なら、別に29.2%でもよくね?法律かえてもよくね?

そしてまた業界は大騒ぎになるわけです。うえーーー、まじかーーーって感じで。